椎名 誠著『ぼくの旅のあと先』を読む2023.05.31 18:21冒険小説家、椎名誠による旅のエッセー。旅のエッセーらしく通常第一章、第二章とするところを第一宿、第ニ宿という章立てにしている。第一宿では、ビール党の著者がどんなビールが美味いかを論じている。世界のビールについても美味い、不味いが紹介されている。第ニ宿では、厳冬期のロシアを旅した著...
唯川 恵著『バッグをザックに持ち替えて』を読む2023.05.31 17:42小説家、唯川 恵の山登りドキュメント。飼い犬のセントバーナード犬のルイが死んだことで始めた山登り。初めの頃は頂上まで辿り着けなかった浅間山の頂上に立つまでのトレーニングの描写が面白い。 そして、紅葉を見るために北アルプス穂高連峰に囲まれた涸沢カール(2300m)を目指す。 それ...
沢野ひとし著『人生のことはすべて山に学んだ』を読む2023.05.31 17:04「ワニ眼の画伯」沢野ひとしが、日本の北から南まで登った50山を紹介している。知床の最高峰・羅臼岳(1660m)に登った時は、秘境の知床の沢を遡行した。新潟県と山形県にまたがる朝日連峰の主峰・大朝日岳(1870m)への山行では、著者は「山に入ると、都会にいる時はおしゃべりの人が沈黙...
田部井淳子著 『それでもわたしは山に登る』を読む2023.05.31 16:37世界初の女性エベレスト登頂者で世界初の女性七大陸登頂者である田部井淳子の晩年の手記。がんを告知され抗がん剤治療を続けながらも、山に登り続ける。その不屈の姿勢が読む者の心を打つ。被災した東北の高校生を富士山に登らせる企画など著者は病を抱えながらも真心を持って社会に貢献しようとする。...
植村直己 『青春を山に賭けて』を読む2023.05.31 15:53言わずと知れた戦後日本が生んだ最大の探検家にして冒険家である植村直己の青春時代の登山記録。百十ドル(4万円)だけを持ち、アメリカに渡り、アメリカの農園で果実もぎの仕事をやり、移民局に捕まりそうになるが、何とか難を逃れる。その後、ヨーロッパに渡り、フランスでスキー場のパトロールの仕...
角幡唯介著『雪男は向こうからやって来た』を読む2023.05.23 10:31本書は、胸躍る探検記であり、「雪男捜索隊」のメンバーや現地住民についてのレポートであり、雪男に対する真摯な考察の書であり、雪男に心をとらわれたひとたちの記録である。雪男という未知の生命体を追う人々の姿を通して、たぶん多くの読者にとって未知の世界であろうヒマラヤの様子や風景を味わう...
高野秀行著『アヘン王国潜入記』を読む2023.05.23 09:24ビルマのワ州のムイレ村に著者が潜入して、村人に混じってケシ栽培をする模様が描かれている。村人と地元の酒、プライコーを飲み交わしたり、アヘンを吸ってアヘン中毒になったり、ケシ畑の草取りに精を出したり、「ガッ・ペン」というアヘンの液汁を採集する作業をしたり、ムイレ村初の学校でワ人の子...
角幡唯介著『極夜行』を読む2023.05.23 09:20グリーンランド北部を極夜の中、犬と橇を引いて旅をする冒険譚である。旅をしていると色々なハプニングに見舞われる。氷床を歩いていると凄まじいブリザードに襲われたり、食料が尽きかけて獲物をライフルで仕留めようと歩き出したはいいものの、獲物に遭遇しなかったり、白熊に荒らされた食料を、デポ...
高野秀行著『西南シルクロードは密林に消える』を読む2023.05.23 09:13中国の成都から雲南省、ビルマ北部、インド北東部を通ってカルカッタまでの古代通商路を踏破したスリル満点の記録。ビルマから中国の国境を越える時に中国の公安に捕まりそうになったり、カチンの密林の中でタケネズミを食べたり、ナガ軍の総司令部で旅に同行した大尉が14年間生き別れていた息子と奇...
角幡唯介著『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』を読む2023.05.23 08:33北極探検の物語。探検家・角幡唯介と北極ばかりを旅している「北極バカ」荻田泰永が、19世紀半ば、北極の地で全滅したジョン・フランクリンが率いた探検隊の足跡を辿って極北の地を旅していく痛快な冒険物語である。白い雪原が広がる北極の地を巨大氷の乱氷帯を苦労して乗り越えたり、巨大な北極熊と...