草薙 龍瞬著 『反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」』を読む

 反応せずに、まず理解するーこれが、悩みを解決する秘訣です。特に「心の状態を見る」という習慣を持つことで、日頃のストレスや怒り、落ち込みや心配などの「ムダな反応」をおさえることが可能になります。では、「心の状態を見る」とはどういうことか。ここではその方法を三つ紹介します。①言葉で確認する。②感覚を意識するーいずれも、ムダな反応を静める絶大な効果を持っているので、ぜひ実践してください。

①ココロの状態を言葉で確認する

例えば、長時間テレビやインターネットで遊んでしまったときは、「アタマが混乱していて落ち着かない」「心がざわついている」と客観的に確認します。特に「目をつむって」確認してみると、心が落ち着きます。 仕事中でも、家族といるときも、「今、自分の心は、どんな状態だろう?」と意識するようにします。「疲れを感じているな」「気力が落ちているな」「イライラしているな」「考えがまとまらないな」というように、客観的に確認します。

「言葉で確認する」ことを、仏教の世界では「ラベリング」(ラベル貼り)と呼ぶことがあります。心の状態にぺたりと「名前」を貼って、客観的に理解してしまうのです。

②カラダの感覚を意識する

「カラダの感覚を見つめる」ように心がけていると、「感覚を意識する」「よく感じ取る」ことの意味が、わかってくると思います。

呼吸しながら「お腹のふくらみ、縮み」や、「鼻先を出入りする空気の感覚」を感じ取るようにします。

 こうして、日頃動かしているカラダの「感覚」を、よく意識しながら感じ取るようにするのです。

これらの二つの方法ー①言葉で確認する、②感覚を意識するーは、ブッダが生きていた時代には、「サティ」(sati)と呼ばれていました。禅の世界では「念じる」、瞑想の世界では「マインドフルネス」と呼ばれています。

心の状態をよく見ること、意識すること。そのことで、ムダな反応は止まり、心は静まり、深い落ち着きと集中が可能になります。

③アタマの中を分類する

これは、心の状態をいくつかの種類に分けて理解する方法です。「言葉で確認する」のと似ていますが、もう少しおおざっぱに、観念的に理解するところに特徴があります。基本は、⑴貪欲、⑵怒り、⑶妄想、の三つに分類することです。

著者は、「快を見つける」というのは、仕事や作業を「積極的に楽しむ」ことだ、と言っています。「快の反応」とは、「面白いぞ」「頑張っているぞ」と、ポジティブな反応をすることなのです。

この本は仏教の観点から、「つい反応してしまう心」の「苦しみ」から離れる方法を、懇切丁寧に解説した良書だといえます。オススメの一冊です。皆さまも是非読んでみてください。


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KAZUMAの読書日記

冒険、スリラー、ジョギング、エッセーなどなど、気の向くまま、多ジャンルの読書を続けてきましたが、オススメできそうな本を備忘録風にご紹介いたします。

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