吉野源三郎著 『君たちはどう生きるか』を読む

 本名本田潤一こと、コペル君と豆腐屋の息子浦川君とちょっと怒りっぽいけど根は優しい北見君とお父さんが大会社や銀行の取締役だという水谷君との中学生活を描いた青春小説。コペル君自身も裕福な家の者だが、貧乏の豆腐屋の息子、浦川君とも分け隔てなく付き合う。ちょっとガキ大将の気がある北見君が上級生からいじめられた時、コペル君は助けられませんでした。コペル君はその自分のふがいなさを悔いましたが、他の仲間たちはコペル君と以前のように接してくれました。いい友達を持ったなあ、コペル君。コペル君は、色々なことに悩みましたが、その度にコペル君の叔父さんが手紙で励ましてくれました。その中でも叔父さんが、貧乏について書いた手紙があります。叔父さんは、こう言っています。「僕たちも、人間であるからには、たとえ貧しくともそのために自分をつまらない人間と考えたりしないように、-また、たとえ豊かな暮らしをしたからといって、それで自分を何か偉いもののように考えたりしないように、いつでも、自分の人間としての値打にしっかりと目をつけて生きてゆかなければいけない。貧しいことに引け目を感じるようなうちは、まだまだ人間としてダメなんだ。」豆腐屋で働く浦川君の姿に感動したコペル君ですが、こういう好奇心旺盛な子供が、将来、立派な大人になっていくんだと思う。

岩波文庫       970円+税

KAZUMAの読書日記

冒険、スリラー、ジョギング、エッセーなどなど、気の向くまま、多ジャンルの読書を続けてきましたが、オススメできそうな本を備忘録風にご紹介いたします。

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