唯川 恵著『バッグをザックに持ち替えて』を読む


小説家、唯川 恵の山登りドキュメント。飼い犬のセントバーナード犬のルイが死んだことで始めた山登り。初めの頃は頂上まで辿り着けなかった浅間山の頂上に立つまでのトレーニングの描写が面白い。  

そして、紅葉を見るために北アルプス穂高連峰に囲まれた涸沢カール(2300m)を目指す。 それから、北八ヶ岳の蓼科山を目指す。 

そして今度は、八ヶ岳最高峰の赤岳を目指す。怖い思いをして登った赤岳の頂上から見た富士山は素晴らしかった。

それから、群馬と新潟の県境にある谷川岳を目指す。頂上から眺めた富士山、日本海、南・中央・北アルプスの稜線、浅間山の眺望は素晴らしかった。 

さらには、「魔の山」「死の山」「人食い山」とも呼ばれる一ノ倉沢を見るためにトレッキングをする。結果、一ノ倉沢の全貌の大パノラマに圧倒されるのだった。  

それから、頂上には行けなかったけど、充実した山行となった硫黄岳登山。前回の雪辱を果たすための山行。晴天で風も弱い日に気持ちよく硫黄岳のピークに立てたのだった。  

そして、日本最高峰の富士山(3776m)に登る。高山病の症状に見舞われながらも何とか日本最高峰の頂上に立つ。  初めての冬山登山挑戦。著者によると、冬山の美しさは格別なのだそうだ。浅間山にある草すべりから見た景色。真っ白な森、太陽の光を浴びて白銀に輝いている霧氷に覆われた木々。それはまさに百万本のクリスマスツリーである。  

世界最高峰のエベレスト(8848m)見るためにエベレスト街道をトレッキングする。残念ながら高山病に罹ってしまったために、目的地のカラ・パタール(5545m)までは行けなかったが、予定を変更してナンガゾンピーク(5100m)に登ることで何とか標高5000mをクリアする。  この本は著者の山への思いが熱く籠められた登山紀行です。是非、ご一読をオススメします。  

光文社  1200円+税

bloggerにて2022年8月21日公開

KAZUMAの読書日記

冒険、スリラー、ジョギング、エッセーなどなど、気の向くまま、多ジャンルの読書を続けてきましたが、オススメできそうな本を備忘録風にご紹介いたします。

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