KEN FOLLETT著『THE PILLARS OF THE EARTH』を読む

12世紀半ばの史実を背景として、キングズブリッジという架空の町に建築される大聖堂を中心として展開される群像劇。ホワイトシップの遭難から始まる無政府時代からカンタベリー大司教トマス・ベケットの暗殺という半世紀の間が描かれている。

ロマネスク建築からゴシック建築へ移り変わる技術的な歴史も背景としている。キングズブリッジは実際のイングランドの町から名前をとっているが、作中のキングズブリッジは筆者の創作によるものである。

いつかこの手で大聖堂を建てたい―果てしない夢を抱き、放浪を続ける建築職人のトム。やがて彼は、キングズブリッジ修道院分院長のフィリップと出会う。かつて隆盛を誇ったその大聖堂は、大掛かりな修復を必要としていた。折りしも、国王が逝去し、内乱の危機が!12世紀のイングランドを舞台に、幾多の人々が華麗に織りなす波瀾万丈、壮大な物語。

本院の修道院長となったフィリップに任命され、トムが大聖堂建立に着手する日がやってきた。トムの緻密な計画のもと、大聖堂の普請は着々と進んでいった。が、新しいシャーリング伯となったハムレイは、フィリップに敵対する司教と組み、執拗な嫌がらせを仕掛けてくる。自領に比べてキングズブリッジの繁栄に嫉妬したハムレイは、やがて町に焼き討ちを!

トムの死後、息子が引き継いだ大聖堂が建築途中で崩れ落ちた。焼失に崩壊......大聖堂は呪われているのか?一方、職人の才能を開花させたトムの弟子のジャックは、ヨーロッパで修行しながら放浪していた。新しい建築技術を取得した彼は、フィリップと大聖堂を救うべく町へ帰還、物語は感動のクライマックスへ。

ハムレイは大司教トマス・ベケットを暗殺した罪で死刑にされる。ジャックは恋人のアリエナと結婚して幸福な生活を送る。ベケット殺害の責任を認めたヘンリー王をフィリップが鞭打とうとする場面でこの物語は終幕を迎える。

bloggerにて2022年4月22日公開

 東京ブックランド  1440円+
邦訳版 『大聖堂 上・中・下』 ソフトバンク文庫


KAZUMAの読書日記

冒険、スリラー、ジョギング、エッセーなどなど、気の向くまま、多ジャンルの読書を続けてきましたが、オススメできそうな本を備忘録風にご紹介いたします。

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