実際に起こったウラニウム消失事件に想を得て書かれた作品。イスラエルのナサニエル・ディクスタイン、ソビエトのKGB、デヴィッド・ロストフ、アラブのヤシフ・ハッサンの諜報部員が知謀と策略を繰り広げる第1級のスパイスリラー小説。
3人のスパイが若き日に顔を合わせていたり、それぞれが戦争によるトラウマや家庭内の問題、また名誉欲や復讐心などを抱え、恋愛模様を絡めながら(これが物語の重要な鍵ともなる)、一筋縄ではいかない複雑な情勢を背景に、第1級の娯楽作品に仕上がっている。 ナサニエルの恋人、スーザ・アッシュフォードとの絡みが面白い。是非、読んでいただきたい小説である。
東京ブックランド 1600円+税
邦訳版 『トリプル』 集英社文庫
0コメント